エスペラントには定冠詞「la」があり、これは英語の “the” に相当します。la は話し手・聞き手に特定のものとわかっている名詞の前に置かれ、「その〜」という意味を表します。例えば la kato(ラ カート)は「そのネコ/その猫」という意味になり、kato(カート)だけの「(ある)ネコ/猫」と区別できます。la は数や格によって変化せず、常に同じ形で用います。つまり単数でも複数でも、主格でも対格でも la は la のままです(英語の the も変化しないので、この点は似ています)。例えば la amiko(ラ アミーコ)は「その友達」を意味し、複数でも la amikoj(ラ アミーコイ、「その友達たち」)と la の形は同じです。また対格でも la amikon(ラ アミーコン、「その友達を」)と la 自体は変わりません。エスペラントでは唯一の冠詞がこの la であり、それ以外に冠詞は存在しません。
一方、エスペラントには不定冠詞(英語の a, an)に当たる語は存在しません。そのため「1つの〜」「ある〜」と言いたい場合でも、基本的には冠詞を付けずに名詞をそのまま置くだけで不特定の意味を表します。例えば英語の “a book” はエスペラントでは単に libro(リブロ、「本」)と言います。文脈によってそれが「一冊の本」なのか「本というもの(一般的に)」なのかを判断します。これは日本語に不定冠詞がないのと似ており、「本」と言えば特に「その本」と限定しない限り「ある本」という意味になるのと同じです。必要であれば、不定冠詞の代わりに数詞(すうし)「unu」(ウヌ、「1つの」)を用いて「unu libro(ウヌ リブロ)=1冊の本」のように表現することもあります。ただし unu は本来「1」という数字であり、「ある〜」というニュアンスで使う場合も英語の a/an よりやや意味が限定的です。「unu ~」と言うと「ある一人の~/ある一つの~」といった感じで特定の個を強調する表現になります。例えば昔話の書き出しで「ある男が…」と言う場合、エスペラントでは Unu viro...(ウヌ ヴィロ…)と表現し、unu を使って新しい登場人物を紹介することがあります。このような場合の unu は日本語の「ある~」に近いニュアンスです。また iu(イウ)という不定の指示詞を使って iu knabo(イウ クナーボ、「ある少年」)のように言うこともできます。
エスペラントの 定冠詞 la や指示詞 tiu(ティウ、「その・あの・この」)などは名詞句の先頭に置かれます。形容詞など他の修飾語よりも la が前に来る点に注意しましょう。例えば「その美しい花」は la bela floro と言い、bela la floro とはなりません。
定冠詞を付ける場合は、以下の3つです:
定冠詞を付けない場合を挙げます:
Vi povas provi Legilon: 3.2 定冠詞「la」の役割
Kajero
Per Rapida Logik-Rezonada Sistemo 高速度推論システム Cainia0 高速度邏輯推理系統
Programita de Sato kaj Cai Niao
Funkciigita de SWI-Prolog
2019-03-14 ver. 1; 2023-09-01 ver. 2; 2024-11-25 ver. 3
Babilejo